大阪在住のカラリスト(カラーコーディネーター)が気になる色彩の話や日々の出来事、思ったことなどを公開しています。

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この記事のカテゴリー:色彩のお話 ( カラーの仕事 )

以前、「コーポレートカラー選定に必要なもの」という記事で、コーポレートカラーを決める際にカラーコーディネーターに要求される能力について書きました。その時は実際にコーポレートカラーを運用する際のことを主眼に置いて書いたのですが、コーポレートカラーが及ぼす影響は外向き(社外に向けた)のアピールだけではありません。そこで今回は社内の方を考えてみます。

「カラーコーディネーターに依頼して、コーポレートカラーを決める」

有能なカラーコーディネーターであれば、依頼を受ければきちっと要求される色を作ることが出来ます。ではその要求は誰がするのかと言いますと、社長であったり、その決定権を持つ部署であったりするわけです。このような決め方はトップダウン型の企業や個人事業などにおいては、これでも十分だったりします。

さて、ここで皆様に質問です。自分の会社のコーポレートカラーの由来や意味を知っていますか?

私の場合、独立までに2つの会社に勤めたことがあるのですが、最初の会社はきちんとしたコーポレートカラーというものはなく、これがコーポレートカラーだと思われる色は会社案内に使われておりましたが、その色はいつの間にか変わっていました。ついでに申し上げると名刺は白黒です。もう一方の会社でも、それらしい色がありましたが、ウェブサイトなどを見ると現在使われている様子はありません。

確かに企業の理念を表す色については教えてもらったことがありません。ないのなら仕方がないのですが、その制定が古い企業などでは、色は存在するのに教えられていないことも多々あるのではないでしょうか?

この会社には企業の色としてコーポレートカラーという物があって、このような意味合いを持っているということをきっちりと教えることが出来れば、それなりに愛社精神などにもつながるような気もします。そして名刺などにそれらの色が使われていれば、時折思い出すことも出来ますし、営業トークなどにも使えそうです。

ただし、そのような方向に向かわせるためには、誰かの一存で決めた色というのでは、思い入れを持ちにくくなります。そこでコーポレートカラーを制定(変更)するに際し、このような流れを考えてみました。

  1. 社員に自社のイメージのアンケートを行う
  2. 社内のしかるべき部署(決定に関する部署)で、そのアンケートを元に目指すイメージを絞り込む
  3. その方向性を元にカラーコーディネーターが実用的な色をいくつか提案する
  4. 提案された色を、社員の投票により最終決定を行う

このような形だと社員自身も決定に参加したという意識を持てますし、その色の意味も思い出しやすくなるはずです。また前の記事で書いたカラーコーディネーターの能力も発揮されると言うことになりますね。

また一連の段取りやアンケートの項目などをカラーコーディネーター側でディレクションすることが出来れば、2番目の絞り込みもスムーズに行くはずです。

カラーマーケティングの部分と色の実用性を無視すれば、カラーコーディネーターがいなくとも、これは実現出来るのですが、そうされてしまうと我々の仕事がなくなるので勘弁してください(笑)

と言うのは冗談で、大きなコストがかかる可能性もあり、失敗は許されませんので、保険の意味でもカラーコーディネーターに依頼すると安心できるのではないかと思います。

また現実的な問題でコーポレートカラーを変えれないという場合には、善後策として後付けで色に意味を与えるということも可能かと思われます。同じ赤という言葉でも、イタリア国旗の赤は情熱、フランス国旗の赤は博愛です。どのように解釈するかを考えることも大変重要です。

変える必要があるかどうかは別として、一度自社のコーポレートカラーの意味合いについて考えてみると、会社そのものについて考えるきっかけにもなるかもしれませんね。

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投稿者:さかもと|投稿日:01/24|2 Comments

この記事のカテゴリー:色彩のお話 ( カラーの仕事 )

カラーの仕事にはいろいろな分野があるわけですが、基本的には色だけを決めるということはそれほどなく、様々な分野の専門家との共同作業になることが多いわけです。例えばインテリアの仕事ならインテリアデザイナーさんだったり、私の専門分野だとウェブデザイナーさんだったりします。

カラーの仕事の図解簡単な図ですが、ある分野のデザイナーさんと一緒に仕事をする場合の役割分担を作ってみました。

まず色彩の基礎知識については、普通のデザイナーさんなら持っていて当然ですので、同じ大きさになっております。もちろんお客さんがこれを持っていない場合もありますので、これはカラーコーディネーターが補うことが出来ます。

そして色彩の専門スキルについてはカラーコーディネーターが持っていて当然の部分となります。カラーマーケティングであったり、それに必要なデータ、色を決めて説明する際の言葉の蓄積であったりと、デザイナーさんが持っていなかったり、調査しきれなかったりする部分をカバーしなければなりません。

問題は各分野の専門スキルの部分です。これはデザイナーさんが知っていて当然のことで、カラーコーディネーターにはなくても良さそうな部分なのですが、あまりにも知識が少ないと不幸なことになります。

その分野で通常行われたり考えたりするべき部分を知らなければ、結局配色の間違いが生じたときに、デザイナーさんの考えが優先されるわけです。その分野の専門家を尊重するのは当然のことです。

例えば私の得意分野ですとウェブサイトの配色ですと、こんな話がありました。

カラーコーディネーターを養成する講座を持つ学校で、生徒さんの優秀作品が展示されていました。これはある既存のウェブサイトをリニューアルするというものでした。

全体の色合いだけを見ると大変美しく出来上がっており、問題ありません。しかしきれいな色を作るのはカラーコーディネーターではなく、ウェブデザイナーの仕事ですので、カラーコーディネーターとしての資質を評価するに至りません。

私が注目したのはその他の部分でした。まず広告の部分は目立たなくなるように処理されていました。広告の収益で成り立っているサイトなのに・・・。

また検索窓も不要と思われたのか、大変地味で目立たない仕上がりになっております。検索による利便性がなければ、成立しないタイプのサイトなのに・・・。

付け加えれば、それらの色の指定はRGB値ではなく、マンセル値で行われておりました。

まあ生徒さんの作品ですので、そんなものかと思わないでもないのですが、それを優秀作品として選んだ先生のウェブ分野においての力量は推して知るべしです。

このようなリニューアル案をお客さんに提出したら、あまりにも修正が多すぎて、結局デザイナーだけでやればよかったということにもなりかねませんし、少なくともカラーコーディネーターに依頼する価値というのはあまりないはずです。

色だけを指定する場合ならこれでもよいのかもしれませんが、少なくとも円滑に仕事を進めるのは難しいでしょうね。

もし個人から直接インテリアの仕事依頼があったとします。ここにはインテリアの専門家はいません。もちろんカラーコーディネーターは美しい室内の色を考えてくれるでしょう。しかしインテリアに強いカラーコーディネーターでなければ、インテリアコーディネーターなら当然気づくことに気づいてくれるとは限りませんし、高齢者には使い勝手の悪い配色が生まれたりすることもあるかもしれません。

このようなわけでカラーの仕事を依頼するにはカラーコーディネーターの得意分野が何であるかを判断するようにしましょう。もちろん仕事を受ける側のカラーコーディネーターも、その専門的知識を可能な限り広げておく必要はあります。

ちなみに私の得意な分野は、ウェブやタッチパネルのように操作が必要なもののカラーコーディネート、工場などの安全性と作業の効率性を重視するものに対するカラーコーディネート、そして色彩を教えるということです。

ウェブの分野は元々デザイナーをしていたので、ある程度わかっているつもりです。工場の安全性は実際に仕事をして、その色彩に携わったこともありますので、わかっているつもりです。

そしてやったことないものについては勉強しておりますが、実際の業務についていないものは、その道の専門家には敵いません。

何でも出来る万能のカラーコーディネーターはいないと思うんですよねぇ。何でもするって人が多いわけですが。

投稿者:さかもと|投稿日:12/10|コメントする

この記事のカテゴリー:色彩のお話 ( 便利なツール )

Adobe kulerはアドビから提供されているWebアプリケーションなのですが、これが結構いろいろなことが出来ておもしろいのですよ。詳しくはMYCOMジャーナルのレビューを見てもらうと大変わかりやすいかと思います。

直感的に配色を作ることが出来るので、イメージを重視して色を決めたい場合にはぴったりです。それに自分が作った配色を保存したり、公開したり出来ます。色を作るということについては、私の知る限りでも最高のツールのひとつです。

でも結局大事なのはどんな色を作るかということよりも、どこにどのような目的で使うかが重要ですよね。そのためにも色彩の基礎知識はきちんと身につけたいものです。

投稿者:さかもと|投稿日:12/08|コメントする

この記事のカテゴリー:書籍の紹介 , 色彩のお話 ( 色に関する雑談 )

友人の住さんが本棚を公開されてました。他の人が読んでいる本のリストってだけで、こんなにおもしろいとは。

そんなわけで触発されて、私の方でも本棚を作ってみました。とは言え、あまりおもしろい本などはそれほど読んでいませんので、カラーの本を中心に集めてみました。

この分野の本もものすごい数がありますので、その中から私が勉強するときに読んで、本当に役に立ったと思える本、未だに使っている本、最低限これくらいの知識は持っていてもいいのではないかという本を集めてみました。

持っている数だけで言えば、リストにしたものの5倍くらいはあるわけで、その中にはやはり使えない本というのもたくさんあるのだなと、本棚をあらためて見直して感じたわけです。

とりあえずジャンル別に分けておりますので、カラーコーディネーターになろうかなという人や、色彩プラス何かでご飯を食べようと考えている人の参考になればと思います。

リストはちょくちょく追加する予定ですので、他の方のおすすめなども教えてくださいませ。

投稿者:さかもと|投稿日:12/07|コメントする

この記事のカテゴリー:色彩のお話 ( カラーの仕事 )

この仕事をしていると、お客様だけではなく様々な方から、「色って本当に大事ですよね」と言われます。それほど大事なら世間のカラーコーディネーターはもっと忙しくても・・・などと思ったりするので、様々なカラーコーディネートを頼む時にどういうタイミングで頼めば円滑に業務が進むか、その能力を最も発揮できるのかを書いてみようと思います。あくまで私の私見ですが・・・。

今回はコーポレートカラーを決める時です。新たに企業を立ち上げたり、イメージを変えるときなどにコーポレートカラーを決めることになるかと思いますが、このような場合には単に色を決めるだけではなく、この後に続くロゴマークやそれを用いた様々な物(看板、名刺、社名入りの封筒、社用車など)を考慮して決めなければなりません。

そのためお客様とカラーコーディネーター、そしてそれ以降のデザイナーの負担を最も軽くし、円滑に作業を進めることが出来るタイミングは企業や店舗のコンセプトを決めた直後です。

私たちは色を決めるのが仕事ですが、単に色選びをするだけではなく、選ぶ色がその目的を達することが出来るかどうかを重視しています。そのためその企業が何をしたいのかわからなければ、選ばれる色の根拠も曖昧になってしまう危険性があります。また結果としてお客様かカラーコーディネーターの好みだけで決められてしまう可能性もあるのです。好みで色を決めるのに、お金を払うのは私はもったいないと思うのです・・・。

色彩とデザインを併せて行う場合に、3種類のデザインでカラーが3パターンの合計9パターンによるプレゼンなどというのが見られます。これは本当に全力でデザインした結果だとは思えないのです・・・。(そもそも同じデザインの色違いを何パターンか用意して、どれが好きとお客様に聞くことに対して、私は少し違和感を持っています。)

企業のコンセプトを決め、そしてその方向性に合致した色を決め、それに基づいてデザインを行う方がスマートだと思うのですが・・・。

このような理由から何らかのデザインを行う前にカラーコーディネーターに依頼していただければ、その後の作業もスムーズに進みますし、デザイナーへの負担も軽くなるはずです。少なくともデザイナーは色を考えるという部分の負担は著しく軽減されるはずです。

加えて競合調査を含むカラーマーケティングは、カラーコーディネーターの専門分野であり、本来マーケッターではないデザイナーの行うことではないとも考えています。

次にカラーコーディネーターに要求される能力ですが、これは論理的に色を導き出せることでしょう。例えば赤と言っても様々な赤があります。その中からなぜこの赤を選んだのかを明快に説明できる人を選ばなければなりません。逆になぜ紫を避けたのかなど、その色を選ばなかった理由も重要になってくるでしょう。自社のイメージは青だと思っていたお客様がいて、その色を選ばなかったのであれば、なぜ選ばなかったのかという理由も知りたいはずです。

そして先ほども述べたようにコーポレートカラーは企業のあらゆる場面で使われる色ですので、その様々な場面をきちんと想定して、色を決めることが出来るということも重要になってきます。安易に色を決めたときに起きる問題には以下のようなものがあります。

  • きれいな色だが看板にしたら全く目立たなかった
  • 同業他社と全く同じような色で差別化がなされていない
  • そもそも文字や図柄が読みにくい
  • 色覚の特性によっては見分けがつきにくい
  • 印刷で表現しにくい色だった

これ以外にもいろいろとあるのですが、色彩のイメージだけで色を決めてしまうと、機能性が著しく低いコーポレートカラーが出来上がってしまうことにもなりかねません。

カラーコーディネーターと一口に言っても、その得意分野は様々です。コーポレートカラーの選定は、最も広範な色彩の知識が必要な分野であると言えるかもしれません。そのためカラーコーディネーターを選ぶ際には、例えばメイクやインテリア・建築など特定の分野に特化した人よりも、多様な業務の経験のある人を選ぶようにするのがよいかもしれません。

コーポレートカラーの変更はコストもかかり、安易にできるものではないため、そのような意味でもカラーコーディネーターの能力の高さが求められる分野だと考えています。

と、たまにはまじめに記事を書いてみました。

投稿者:さかもと|投稿日:11/30|コメントする

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