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ウェブカラーを一番学んでほしいのはカラーコーディネーターです

色の知識があれば、カラーコーディネートできると思ってる人がいるのではないでしょうか。実はカラーコーディネーター自身がそういう錯覚に陥っている気がしてなりません。もちろんそうでない人も多いので、一部の人ということになるのでしょうが。

例えば、インテリアの色彩を考える場合には、単に色だけでなく、インテリアの色のセオリーを知らなければなりません。一口にセオリーと言っても、照明のことやバリアフリー、内部の造作材や壁紙などの仕上げ材料とかいろいろあるわけです。こういうのは当然バリバリ現場で仕事をしているインテリアコーディネーターの方が詳しいはずです。

バリアフリー仕様なら専門の福祉住環境コーディネーターの資格もあります。照明であれば、照明コンサルタントなどという資格もありますね。器具の照射方法も様々ですし、ダウンライト一つとってみて、種類も明るさも様々なので、一戸建て住宅の照明を考えるだけでも実は大変なのです。

そう考えてみると、壁紙と床と建具の組み合わせだけで、快適な色彩環境の家ができると考える方がおかしいわけで、その道での経験豊かな現場監督や大工・専門業者・職人などと共同で作業にあたる方がよい結果を生むはずです。色彩の知識だけで何かできると思うのは、専門家の方に大変失礼にあたると思います。

商品のパッケージなら、当然その業界で培われてきたセオリーがあって、自社製品、競合商品などの色をマーケティングするわけですので、色の組み合わせや見た目のインパクトだけで解決できるような問題ではないはずです。

そのような中、ウェブの配色だけは、「色彩だけでなんとかできる最たるもの」のような扱いをされている気がします。

確かにウェブが世の中に登場してから、まだそれほど年月は経っていませんが、そこにはユーザビリティ(使い勝手)に関するセオリーやアクセシビリティ(誰もがサイトにアクセス出来ること)のための諸規格(ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドラインやJIS X8341-3など)があるわけです。

その部分を学ばずに、色を変えれば売上が上がりますとか集客できますっていうのは、何かが欠けているように思います。どこを押せば目的のページにたどり着けるかわからないような配色のサイトを持ったカラーコーディネーターが、本当にウェブの配色について、何かを成し遂げることができるのでしょうか? もし仮にそのようなサイトで、どんどんとウェブから仕事が来るのであれば、色以外の要因であって、色を改善することで何かできることはないのかと考えたことがあるのでしょうか?

私がカラーの仕事を始めた頃に比べれば、カラーコーディネーターそのものも増えていますし、今は無料のサービスを使って簡単にサイトを作り、集客もできるようになってきました(集まるかどうかは別の問題ですが。)

多くのカラーコーディネーターが、ウェブの色彩について語ることができる環境が整備されてきたことは、大変喜ばしいことだと思っています。そして、これからは色の組み合わせだけでなく、セオリーも踏まえた上での、正しいウェブの色彩に関する知識が世の中に広まればと思っています。

デザインの重要性が高まる中、色に関する知識ももっと重要な世の中になっていくはずです。印刷物と異なり、比較的色を変えやすいことから、安易に色を決める人も多く見られるのが、ウェブの配色です。それを安易に色のアドバイスをするのではなく、きちんとした理論とセオリーに基づいて、ウェブの色を戦略的にコンサルティングできるカラーコーディネーターが必要とされてくるのではないかと考えています。またそれによって、カラー業界の信頼度も向上するのではないかと思います。

これをご覧のカラーコーディネーターの皆様で、ウェブの色彩を業務にしておられる方、あるいはこれからしてみたいという方がいらっしゃれば、ぜひ一度ウェブ配色の基礎を学んではいかがでしょうか?

かなり言いたい放題で苦言めいたこと(というよりあからさまに苦言)を呈しましたが、これにより少しずつでもウェブを取り巻く色彩環境が向上すればよいなと考えております。

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